第35回日本公民教育学会全国大会(北海道大会)

シンポジウム

「情報通信技術の変容とメディアリテラシーを育む公民教育を考える」

今日は、急激な技術革新や価値観の多様化などが進行し、まさに激変する社会の様相を呈しています。とりわけ、情報通信技術や AI をはじめとした科学技術の発展は、政治・経済のしくみや倫理など社会と個人の有り様を大きく変貌させようとしています。

この数年の通信端末や SNS 等の爆発的な普及は、人々の生活に利便性をもたらし、個人の考えや発言を瞬時に拡げ、社会的な関心を高めることを可能にした一方で、拡散された情報の事実確認の困難さや誹謗中傷などの負の側面が大きな社会問題となっています。

昨年は SNS がアメリカ大統領をはじめとした世界各国の選挙結果を左右させたのではないか、また、我が国にあっても国政選挙はもとより、東京や兵庫の知事選挙などにも大きな影響を与えたと指摘されており、公職選挙法改正の議論も行われています。

情報通信技術の変容は、活版印刷の発明・普及以来の転換期の様相を呈していると言って過言ではありません。こうした社会状況にあって、新旧メディアとの向き合い方や、それらを活用する力を育むことは、公民教育にとって喫緊の課題であると言えます。

本シンポジウムでは、激変する社会に生きて未来を拓く子どもたちに必要な「メディアリテラシー」の資質・能力をどのように育むかを焦点に「公民教育の改善・充実の方策」を参加者の皆さまとともに考察したいと思います。

○コーディネーター・司会
堂徳将人(北海商科大学)
桐谷正信(埼玉大学)
○提案者
中平一義(上越教育大学)
「現代的なメディアリテラシーと公民教育」
伊藤  航(北海道札幌北高等学校)
「SNS 社会の光と影を探究する「公共」の授業づくり」
○指定討論者
川﨑誠司(東京学芸大学)